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日刊工業新聞


小塩稲之のマネジメントマーケティング戦略−「視点に多面性」重要

〔日刊工業新聞社説 2008年 10/1 掲載記事〕


 あらゆる企業活動においてマーケティングが常に先行するという考え方の「マネジメントマーケティング」では、全社的な基礎概念として取り組むことが重要です。では、具体的にはどのようにしたら良いのでしょうか。その答えのひとつは、会議におけるメンバー構成にあります。

 経営会議であっても、営業会議であっても、通常の社内で行われる会議では、関係部門のメンバーにより構成されていると思います。例えば部長職をそろえれば同じ年代の長年、社内で共に働いてきた人となります。これは同じ共通認識を持つ者同士の構成ですので、話が早い半面、視点に多面性が無く、会議として「複眼」を持ちにくい状況にあります。

 マネジメントマーケティングの考え方では、特に戦略会議においては、メンバーの多様性が極めて重要なポイントになります。なぜならば、画一的な背景を持つメンバー構成では、課題の気付きや、新たな発想の組み合わせによる革新が起きないからです。

 マネジメントマーケティングでは、激動するマーケットを全社的に敏感に察知し、即応することが求められます。会議メンバー一人ひとりがマーケッターとしての視点を持ち、アンテナを張り巡らせ、会議にフィードバックする姿勢が重要になります。それなので、会議メンバーは多様であったほうが、より幅広い情報のフィードバックが可能であり、情報の吟味や展開にも可能性が広がるのです。決して極端な例ではなく、年齢、性別、役職、趣味趣向、人種まで、より多様なことが、その会議の情報収集、分析、解決等の力を高めるという考え方なのです。

 多様な背景を持つメンバーを束ね会議を進める議長には、マネジメントマーケティングの基礎知識が求められます。そしてあらゆる場面において「市場の視点」を最重要視した判断を下していくことになります。

 マネジメントマーケティングにおけるマーケティング調査は、外部専門機関による調査だけの評価ではありません。実は、それ以上に社内メンバーによる調査が重要なのです。

 (小塩稲之)


「株式会社日刊工業新聞社掲載記事」より