nikkei shinnbunn
日刊工業新聞


マネジメントマーケティング−「全社的概念」

〔日刊工業新聞社説 2008年 9/24 掲載記事〕


 近年のマネジメントの実情を見ると、新たなメディアの登場などによりマーケットの変革スピードが、これまでの企業活動で適応可能なスピードを遥かに超えて変革し続けていると考えます。

 そのスピードのギャップからその対応が後手にならざるを得ず、極めて厳しい状況にあると思われます。この原因のひとつは、マーケティングの捉え方にあるのではないでしょうか。
 これまでのマーケティングは、研究、開発、製造、人事、財務、営業などと並ぶ企業活動の一部として捉えられてきました。

 しかしながら、マーケティングを単機能として実行し、その結果を持って他の機能の適応を進めることでは市場への対応が追いつかなくなっています。
 そこで、これからはマーケティングを単機能としてではなく、あらゆる取り組みにおいて先行する全社的な概念として捉え実行し適応することが必要であると考えます。それは経営ビジョン、経営計画を含むあらゆる企業活動においてマーケティングが常に先行するという考え方です。

 私は、これを「マネジメントマーケティング」と呼んでおります。
  マネジメントマーケティングは、川下から川上を見つめ、経営全体、経営の根幹までを含めて構築するものです。マネジメントマーケティングとは、いわば「市場の視点」から企業の活動全体をみるものといえます。
 マーケティングの概念は、生産志向から製品志向へ、さらに販売志向へと、時代とともに変化してきました。しかしいずれにしても、マーケティングの考え方の出発点は「市場の視点」です。

 市場サイクルの時間差が長いか短いか、が重要な時代となっています。作れば売れる時代にはマーケティングは今日ほど意味がないものでしたが、競争が激化し、売上が減少し、成熟化社会になると、限られた市場に対して限定されたマーケティングの必要性が高まることは必然的なものだと言えます。

 マネジメントマーケティングを全社的な基礎的概念として取り組まなければならない時代になっているのです。

 (小塩稲之)


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